アイスランド政策金利据え置き
アイスランド中央銀行は22日、大方の利上げ予想に反して政策金利を15.50%に据え置くと発表した。多くのエコノミストは、アイスランド中銀が下落している自国通貨を支えるため、政策金利を再び引き上げると予想していた。
一方、一部のエコノミストは、政策金利はすでに歴史的高水準にあり、次の政策措置は利下げの可能性もあると指摘。
グリトニルのエコノミストは「中銀は恐らく、景気減速が明白になりつつあると判断し、フォワードルッキングな政策決定を下したのだろう」と述べ、4月の利上げが現在の局面で最後の利上げになるとの見方を示した。
アイスランド中銀は過去2カ月間に2度にわたり利上げを実施。3月25日に1.25%ポイント、4月10日に0.5%ポイントの利上げを行った。
アイスランド経済は危険な領域に
アイスランド中央銀行のチーフエコノミスト、アルノール・シグバトソン氏は、同国経済は非常に危険な領域に入っており、通貨クローナの安定が大きな課題だとの認識を示した。
9日付の独紙フランクフルター・アルゲマイネとのインタビューで述べた。
同氏は、クローナが経済不安定化の原因になっていると指摘。欧州連合(EU)加盟とユーロ導入が実現すれば、経済の安定度が増すとの認識を示した。
「アイスランド経済は、非常に危険な領域を進んでいる。主たる課題は通貨の安定だ。そのためには、クローナへの信頼を醸成する必要がある」と発言。
「信頼が完全に失われれば、クローナの一段の下落とインフレのさらなる進行という悪循環に陥り、壊滅的な影響を受ける」と述べた。
クローナは、世界的な信用収縮で投資家のリスク回避志向が強まったことを受けて急落しており、対ユーロでは、1ユーロ=82クローナから120クローナ台まで下落している。
クローナ安を受けて、同国の金融機関に対する懸念も強まっている。同国では比較的金融業がさかんで、金融機関は海外を中心に業務を展開している。
同氏は「わが国の銀行が、外貨の流動性の面で問題を抱えれば、非常に厳しい状況となる。経済の規模に比べて金融セクターが大きいということが、甚大な問題を引き起こす。このため、アイスランドの経済・銀行へのリスク評価が大幅に高まっている」と述べた。
1年後のクローナ相場はどうなっているかとの質問に対しては、2002年にも同じような問題が起きたが、その後急速に回復したと指摘。「同じことが起きるかもしれない。アイスランドは、素早い対応が可能な非常に柔軟性の高い経済だ」と述べた。
